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取引先の与信管理とは? その意味やおすすめのサービスやシステムもご紹介します

「与信管理」と聞いて、「金融機関が行うものだ」と考える人も多いと思います。

しかし、取引先の資金繰り悪化で債権回収が滞り、自社が甚大な損失を被ってしまう…そういった事態を回避するためにも「与信管理」はビジネスにおいて必要不可欠なフローと言えるのです。

この記事では、「与信管理」の説明やその基準、さらには簡単に与信管理が行えるサービスやシステムなどについて解説します。

取引先の与信管理とは? その意味を解説します

与信管理とは?

与信とは、文字通り「信用を与える」ことを指します。
企業間取引においては、商品の提供とその対価の支払いは同時には行われず、後払いが主流となっています。そして後払いの取引である掛売や売掛を取引先に認めることが「信用を与える」ことなのです。そして信用を与えた取引先が支払期日に条件通り代金を支払うかどうかを管理することを「与信管理」と呼称します。

与信管理の重要性

当然ながら企業の売上は日々変動します。取引先が以前は業績が好調であったとしても、現在は売上が著しく減少するケースもしばしば存在します。そして自社への入金が停滞し、更には倒産してしまうと、売掛金の回収ができなくなります。この回収不可能の状態を「焦付き」と呼び、予定した入金が見込めなくなるため自社への業績や資金繰りに損害が発生してしまいます。
予定していた売上を回収できないと、その損失を取り戻すためにはその分の利益が必要になります。回収できなかった売上が1,000万円だった場合には、1,000万円もの利益を出さなければいけなくなるのです。
また、予定した入金が無くなると、他の取引先の支払いや銀行への返済など資金繰りの計画にも影響が及ぶため、自社の信用も落ちてしまい、最悪の場合倒産してしまう恐れがあります。
このような事態を防ぐためにも取引先の与信管理は必要不可欠と言えるのです。

与信管理でよく使われる基準は?

与信管理をするにあたっては、取引金額の上限である「与信枠(与信限度額)」を設定することが必要であり、この与信枠を設定するためには明確な基準が求められます。
そして、そのための土台作りとして取引先の経営情報を調査する「与信調査」を行う必要があります。この際には決算書を用いることもありますが、会社法上は賃借対照表要旨の掲載が義務付けられています。そのため直接取引先から決算表を入手できなくても、決算公告や経営事項審査を行っている会社であればある程度の決算内容を把握することが出来ます。そして、経営情報としては以下の指標を確認するようにしましょう。

1. 売上高と当期利益

売上高や当期利益は与信管理を行う上で重要な判断要素と言えます。
決算公告から当期利益は把握することができるため、ここから取引先の収益性を分析することができます。
当期利益や売上高からは、「売上高当期利益率」を算出することができます。売上高当期利益率は、売上高に対して企業の営業活動で生み出された最終的な当期利益が占める割合を示す指標であり、高ければ高いほどよいといえます。この指標は以下の式で算出できます。

売上高当期利益率(%)=当期利益÷売上高×100(%)

この売上高当期利益率が5%を上回っている会社は倒産しにくく、反対に1%に満たない利益率や赤字が出ている会社は倒産のリスクが高いため注意する必要があります。

また、売上高は決算公告ではわからず、経営事項審査を参照する必要があります。仮に売上高が判明していない場合は、当期利益を比率分析ではなく絶対額で評価することである程度適切な収益性評価を行えます。この場合は、当期利益額が1億円以上であれば信用できる会社だと判断できますが、利益が不明の場合や200万円未満や赤字の場合には注意が必要と言えます。

2. 資本金

資本金も重要な判断要素です。
まずは総資本を確認しましょう。300万円以下であれば、資金的な余裕がないと判断できるため、与信管理上のリスクが高いと見る必要があります。
また自己資本も大事なポイントです。自己資本は返済の必要がない自前の資金であり、この自己資本の割合が総資本の中で大きければ大きいほど、借入などの負債に依存する必要がなくなるため、経営が安定していると判断できます。そして、総資本のうち自己資本がどのくらいの割合なのかを表す比率は「自己資本比率」と呼ばれ、以下の式で計算できます。

自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100(%)

この数値が高ければ高いほど経営が安定しており倒産のリスクが低いと言えます。自己資本比率は30%を超えると少なくとも財務上の問題で倒産に至るケースは少ないと考えられます。また、反対に7%を下回る会社は倒産のリスクが高いので注意が必要です。

3. 従業員数

従業員数はホームページやパンフレットから把握することができます。
そして従業員数の情報を入手できたら会社の事業形態に適切な人数かどうかを確認しましょう。現場を稼働させるだけの人数が揃っているのか、反対に過剰な人員を抱えていないかといったことを業種や売上規模から判断する必要があります。
また、継続取引の場合は半年から1年に1回、取引先の従業員数の推移を把握することも重要です。極端に減少している場合には、組織崩壊や経営悪化による大量のリストラにより従業員が大量に退職しているという事態が考えられます。

4. 設立年数

設立年数も見落としがちですが重要なポイントと言えます。
設立後5年いない会社は仕入や販売基盤が確立していないため、市場の悪化といった影響を受けやすいです。過去の利益もないため資本金も小さく、財務耐性が盤石ではないことも懸念点と言えます。
また、設立してから何十年と経営を続けている会社も倒産しないというわけではないため一定の留意が必要です。中には昔と同じ体制のまま経営を続けている企業もあり、その場合は市場情勢に遅れをとり業績が悪化しているケースも考えられます。その場合は新興企業よりもリスクの大きい会社として警戒する必要があります。

与信管理におすすめのシステム・サービスはこちら

与信管理はやり方がわかっていても取引先数や取引額が増加するにつれて手間やコストがかかってしまい、業務効率も低下してしまいます。
与信管理システムや与信管理サービスを行うことで与信管理を一元化や取引先情報の自動収集などを行うことができ、与信管理を効率的に行うことが出来るようになります。
以下におすすめのものをまとめたので、ぜひ参考になさってください。

1. e-与信ナビ

「e-与信ナビ」とは、導入社数7,000社以上の実績を誇る与信管理システムです。
国内最大級である約500万社以上のデータベースから与信限度額や目標利益率といった与信判断に必要な指標を素早く入手することができます。
企業の基本情報に加え、過去5期分の情報の変遷や決算情報に至るまで、様々な情報を入手することができるため、非常に制度の高い与信管理を行えます。

2. SMART

「SMART」は三井物産クレジットコンサルティング株式会社が運営している与信管理サービスです。
実務経験豊富なコンサルタントが取引先の与信管理業務をサポートしてくれるため、与信管理初心者でも質の高い与信管理を行うことができます。また、独自の統計的手法に基づいた「MCC格付」という高精度な信用格付けも行っています。
適正与信金額の算出や既存取引先のモニタリングや海外取引先の与信管理にも対応しているため、幅広い取引先を持つ企業におすすめのサービスです。

3. 与信管理ソリューション

「与信管理ソリューション」は取引先の財務情報の管理や分析に強みを持つサービスです。
与信総合データベースを活用することで、取引先の財務情報や信用格付け、商談履歴などを一元管理することができます。
また、販売・会計システムや調査機関との連携も可能です。与信申請ワークフロー機能を用いれば、各種申請書類の電子化により与信申請業務の効率化にも役立ちます。

4. CRD総合ツール

「CRD総合ツール」は、スコアリングに特化したシステムです。
中小企業経営診断機能を活用することで、全国100万社以上のデータから企業を把握するだけでなく、将来シミュレーションまで行うことができます。また、スコアリング・データ蓄積ツールを活用することで、企業の推計デフォルト確率を見える化し、信用リスク管理の高度化を図ることができます。
決算データに異常があった場合には自動判定しアラームを表示してくれるため、与信判断を効果的に行えます。

5. Neuro Watcher

「Neuro Watcher」は取引先の与信管理をサポートする与信管理サービスです。
東京商工リサーチの過去に倒産した企業情報や財務情報を活用し、9段階で企業の格付け判定を行ってくれます。また、取引先の信用格付・月商に応じて与信限度額を算出するだけでなく、月次で情報の変化をメール通知する他、格付けや与信限度額を一括洗替するなどの様々な機能が揃っています。
初期費用や企業サーチは無料のため、気軽に導入が出来る点も魅力的です。

【まとめ】与信管理を適切に行いましょう

いかがだったでしょうか。

与信管理を適切に行うことで、取引先の不況による損失を回避することができ、安定した取引を行うことができます。

自社に適切な与信管理サービス・システムを導入するなど、工夫をして与信管理を効果的に行いましょう。

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